韓国におけるアトピー性皮膚炎児のQOLに影響する因子:多施設横断研究。
アブストラクト
背景アトピー性皮膚炎(AD)が小児のQoLにかなりの悪影響を及ぼすことはよく知られているが、どのような要因がQoLに影響を及ぼすかについての研究は不足している。目的本研究の目的は、アトピー性皮膚炎患児のQoLを測定し、QoLに影響を与える要因を明らかにすることである。方法QoLの測定にはChildren's Dermatology Life Quality Index(CDLQI)から派生した質問票を用いた。家族歴、アレルギー併存疾患、増悪関連因子、増悪時期、治療歴および現在の治療歴も評価した。総免疫グロブリンE(IgE)レベルおよび特異的IgE感作は、複数アレルゲン同時試験、アレルギー試験、または皮膚プリック試験によって測定した。ADの重症度は、治療に基づいて軽度、中等度、重度に分類された。結果7病院から合計254人の小児(46.4ヵ月、男児53%)が調査に参加した。平均CDLQI得点は7.2±5.5点(総得点範囲は0~30点)であった。回答者はQoLスコアの分布に従って3群に分けられ、0~4点(n=84)、5~9点(n=90)、10点以上(n=80)がそれぞれ良好、まあまあ、不良を表していた。ADの重症度が高いほど、CDLQIスコアは有意に高かった(p = 0.001)。他の群と比較して、QoLが不良な小児は吸入性アレルゲンにより感作されており(オッズ比[OR]1.29[95%信頼区間{CI}]、1.03~1.62)、より多くの増悪因子を有していた(OR 1.26 [95% CI, 1.04 - 1.54])、吸入アレルゲン関連の増悪因子(OR 2.54 [95% CI, 1.23 - 5.23])を含み、年齢、総IgE、肥満度、重症度、保湿剤の使用で調整した後でも、増悪因子が多かった。犬や猫を含む動物感作と増悪因子の一致度は、κ0.39、精度0.85とまずまずであった。結論本研究により、AD小児のQoL低下は吸入性アレルゲン感作および吸入性アレルゲンに関連した増悪因子と関連することが示された。特に、犬と猫の感作は有意な増悪因子であった。小児のAD管理を改善するためには、動物アレルゲンを含む吸入関連増悪因子に対処する必要があるかもしれない。