思春期の喘息患者における医療移行に基づく教育プログラムの有効性:無作為化比較試験。
アブストラクト
背景:喘息と診断された青少年は、ある年齢に達すると成人への移行期を迎える。また、これらの青年が自律的で有能な成人患者となり、疾患に関する必要な知識と技術を習得するためには、専門的な教育が必要である。本研究では、前向き無作為化比較試験デザインを用いて、喘息と診断された青年に提供された医療移行に基づく教育プログラムの有効性を評価した。
方法:喘息と診断された14~18歳の青年52人を、青年とその両親の同意を得て、介入群(対面による教育4回とオンラインによる教育6回)と対照群(標準治療)に無作為に割り付けた。主要アウトカムは、両群の移行準備評価質問票(TRAQ)得点の差であった。副次的アウトカムは、喘息をもつ児童・青少年のための自己効力感尺度(Self-Efficacy Scale for Children and Adolescents with Asthma)とMind the Gapの得点の両群間の差などであった。アウトカムは、ベースライン(初回評価;0週目)と介入直後(最終評価;12週目)の2つの異なる時点で測定された。
結果:初回評価では、主要アウトカム、副次的アウトカムともに両群間に有意差はみられなかった(p > 0.05)。最終評価では、介入群のTRAQ(Z = -4.740、p < 0.001)得点および喘息をもつ児童・青少年のための自己効力感尺度(t = 6.344、p < 0.001)得点が対照群の得点より有意に高いことが示されたが、Mind the Gap尺度得点は有意に低かった(t = 6.146、p < 0.001)。
結論:小児医療から成人医療への移行準備に基づく小児医療との統合教育介入は、青年期の移行準備と自己効力感を高めるのに有効であると判断された。本研究はClinicalTrials.govに登録され、IDコードはNCT05550922であった。