コロンビアの思春期女性における自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患の発症リスクにおけるヒトパピローマウイルスに対する4価ワクチンの安全性プロファイルの評価。
アブストラクト
背景:子宮頸がん撲滅は、世界保健機関(WHO)による2030年の主要目標のひとつであり、ヒトパピローマウイルスに対するワクチン接種率が高くないと達成できない。コロンビアでは、ワクチン接種の信頼性を高めるために、より良い科学的根拠が求められている。本研究の目的は、コロンビアの思春期女性における自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患の発症リスクにおける、HPVに対する4価ワクチンの安全性プロファイルを評価することである。
方法:2012年から2021年にかけての全国的なHPVワクチン接種記録と、特に注目すべき疾患の診断データに基づいてコホート研究を計画した。9~19歳の思春期女性を対象とし、各シナリオ疾患および追跡期間(180日および360日)について、Inverse Probability of Treatment Weighting(IPWT)法を用いてワクチン接種群と非接種群を比較した。
結果:追跡調査指標日(ワクチン接種日)から180日後と360日後の2つの追跡期間において、対象疾患の発症のオッズ比(OR)を推定した。ワクチン接種集団とワクチン未接種集団を比較した場合、関節リウマチの発症のORは4-4;CI95%(1-74 - 11-14)、若年性特発性関節炎は2-76 IC95%(1-50-5-11)、特発性血小板減少性紫斑病は2-54 IC95%(1-28-5-02)、甲状腺中毒症は2-86 IC95%(1-03-7-95)であった。しかし、新規症例の出現率は両群で一定の直線的挙動を示すため、症例の時間的分布からは両群間に明確な差は認められなかった。
解釈:関節リウマチ、若年性特発性関節炎、特発性血小板減少性紫斑病、甲状腺中毒症については、ワクチン接種が発症に影響を及ぼした。しかしながら、今回の結果は、生物学的妥当性がワクチンへの曝露との関連において明確な時間的パターンを持たずに発生したことを考慮すると、慎重に解釈されるべきであり、さらなる研究が必要である。