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ヒトロタウイルスに対する免疫防御の相関:自然感染とワクチン接種。
アブストラクト
A型ロタウイルスは、世界中で5歳未満の小児における急性胃腸炎の主な原因ウイルスである。ロタウイルスによる胃腸炎の病因と免疫学的特徴の解明は進んでいるものの、自然感染やワクチンによる免疫の過程における防御相関(CoPs)は完全には理解されていない。血清学的反応(IgAおよびIgG)、母乳中の母体抗体(Abs)の存在、腸内細菌叢の変化、ロタウイルスの構造および非構造タンパク質など、CoPの結果に寄与する因子は数多く存在する。実際、経口ロタウイルスワクチンの主要なCoPとして腸管IgA反応とその代用である血清IgA値が示唆されている一方で、非経口非複製ロタウイルスワクチンのCoPとしてはIgG値の可能性が高い。臨床データと免疫学的データを統合することは、ロタウイルスワクチンの有効性を向上させる上で有益であり、特に低・中所得国ではワクチンの有効性が高所得国に比べて著しく低い。ロタウイルス疾患に対するCoPsに関するさらなる知見は、次世代ワクチン開発に役立つであろう。ここでは、ヒトロタウイルス疾患に対する相互作用成分と提案されているCoPsに関する利用可能なデータと文献をレビューし、この分野における我々の知識の限界とギャップについて議論する。