成人医療に移行する前の慢性的健康状態にある青年における健康関連QOLと自己報告による健康状態:国際コホート研究。
アブストラクト
背景:慢性的な健康状態にある青少年は、健康な同世代の青少年と比較して、暑さに関連した生活の質(HRQoL)が低い。基礎疾患や性別による差は認められるものの、尺度や国による差は十分に理解されていない。本研究では、様々な慢性疾患を有する青年における、成人医療サービスに移行する前の1年間のHRQoLの違いに焦点を当てる。また、2つの異なるHRQoL測定値の相互関係や自己報告による健康状態との関連についても検討した。
方法:2017年から2020年にかけて、フィンランドのヘルシンキにあるNew Children`s HospitalとオーストラリアのメルボルンにあるRoyal Children`s Hospitalから538名の青年を募集した。検証済みの2つのHRQoL測定尺度、Pediatric Quality of Life Inventory(PedsQL)と16D、および自己報告による健康状態については視覚的アナログスケール(VAS)を用いた。
結果:計512名の青年(女性50.4%,平均年齢17.8[SD 1.2]歳)が調査票を記入した。両国とも女性より男性の方が高いHRQoLが報告され(PedsQL 79.4 vs 74.1;16D 0.888 vs 0.846)、オーストラリアよりフィンランドの青年の方が高かった(80.6 vs 72.2、0.905 vs 0.825、いずれもp<0.001)。糖尿病、リウマチ、腎臓疾患および/または臓器移植を有する青年のHRQoLは、神経疾患やその他の疾患症候群を有する青年のHRQoLよりも高かった(p<0.001)。PedsQLスコアと16Dスコアは互いに強い相関を示した(Spearman相関係数r = 0.81)。7段階VAS(1~7)を用いて、52%(479人中248人)が自分の健康状態を良好(6~7)と考え、10%(479人中48人)が不良(1~2)と評価した。自己申告による健康状態が良いほど、HRQoLは高い。
結論:移行期の青年のHRQoLは、性別、診断群、居住国によって異なる。自己申告による健康とHRQoLとの関連は、VASを用いた簡易評価により、詳細なHRQoL評価が有益な青年を同定できる可能性を示唆している。
試験登録: 試験登録名 The Bridge、登録番号 NCT04631965 ( https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04631965 ).