セレン摂取と2型糖尿病との関連における年齢、性、甲状腺自己免疫の影響。
アブストラクト
背景:食事からのセレン(Se)摂取と2型糖尿病(T2DM)との関連については、依然として議論がある。本研究では、2007~2012年のNational Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)データベースのデータを用いて、この関連を調査することを目的とした。
方法:本研究では、20歳以上の3,703人を対象とした。参加者の平均年齢は50.74歳で、男女比はほぼ等しかった(49.12%対50.88%)。多変量ロジスティック回帰モデルにより、食事からのSe摂取量(対数変換)とT2DMとの関連性のオッズ比(OR)を検討した。年齢、性別、甲状腺自己免疫に基づいてサブグループ解析を行い、これらの変数が関係に及ぼす潜在的な影響を評価した。非線形関係を記述するために、適合平滑化曲線と閾値効果分析を行った。
結果:完全調整モデルにおいて、Se摂取とT2DMとの間に有意な正の関連が観察された(OR = 1.49, 95%CI: 1.16, 1.90, p = 0.0017)。年齢、性別、甲状腺自己免疫で層別化した後、65歳未満、男性、甲状腺自己免疫陰性の人において、Se摂取とT2DMとの有意な正の関連が観察された。性別を層別化するために2区分線形回帰モデルを解析したところ、男性では90.51μgの変曲点を持つ閾値効果が、女性では109.90μgの変曲点を持つ逆U字型の関係がそれぞれ明らかになった。
結論:本研究では、Se摂取量とT2DM有病率との間に正の関係があることを見いだした。この関係は、特に若年者、男性、甲状腺自己免疫陰性者において有意であった。我々の結果は、今後さまざまな集団を対象とした大規模前向き研究で検証されるべきである。