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小児の溶血血液検体における不正確なカリウム測定の臨床的意味。
アブストラクト
背景:全血検体の分析は迅速で血液の節約になるが、溶血が検出されずカリウム測定の精度を損なうことがある。我々は、全血カリウム測定における誤差の頻度と大きさを明らかにすることを目的とした。
方法:サンプル採取時に2歳未満であった患者から、34ヵ月分の全血および血漿カリウムのデータを抽出した。溶血は血漿 "H index "を用いて検出した。カリウムの偏りの大きさは、2時間未満の間隔を置いた1対の全血と血漿の測定値の差から推定した。
結果:10万5,000点のデータのうち5万6,000点が血漿からのものであり、そのうち20%に有意な溶血が認められた。溶血率(50%近く)は新生児保育室で最大であった。662の近位全血と血漿のペア結果のうち、8%は全血カリウムが上昇し血漿値は正常であり、4%は全血カリウムが正常で血漿カリウムが低下していた。全血カリウムと血漿カリウムの偏りは-1.0~4.0mmol/Lであった。
結論:全血分析を行うことは、カリウム測定における誤差の大きなリスクを伴う。この種の検体における溶血を検出するための、より優れたツールが必要である。