捕食性細菌の細胞極におけるハブタンパク質の特異的動態と近接ネットワーク。
アブストラクト
細菌では、細胞極は特定のライフサイクル段階でタンパク質が局在する細胞内コンパートメントとして機能し、極性の「ハブ」タンパク質によって組織化される。ほとんどの細菌は、母細胞から「古い」極を受け継ぎ、細胞分裂によって「新しい」極を受け継ぐため、誕生時に細胞の非対称性が生じるが、非二元分裂は、特に新しい極のみを受け継ぐ娘細胞にとっては、細胞の極性を確立する上で難題となる。われわれは、餌となる細菌内で非二元分裂に続いて糸状増殖する偏性捕食性細菌の極性ダイナミクスを調べた。他の生物種では極性ハブとして知られている2つのタンパク質、RomRとDivIVAの細胞内局在をモニターした結果、RomRが.NETの初期極性マーカーであることが明らかになった。RomRは、捕食者の成長段階において、ディビソームの形成開始と染色体分離の終了に密接に続く正確な時期に、すでに子孫の将来の前極をマークしている。RomRの安定した一極局在とは対照的に、DivIVAは動的な極間局在を示す。DivIVAとRomRのタンパク質相互作用ネットワークは、内在性miniTurboベースの近接性標識によってマッピングされ、細胞極性化における両者の異なる役割をさらに強調し、餌生物と捕食者の相互作用における前方の「侵入」細胞極の重要性を補強している。重要性細菌において、細胞極は「ハブ」タンパク質が特定のタイミングで複数のパートナーとの相互作用を通してライフサイクルイベントを指揮する重要な領域である。ほとんどの細菌は、前の分裂イベントから受け継いだ「古い」極と「新しい」極を1つずつ示すが、二元分裂をしない細菌では、極の同一性を設定することが課題となる。本研究では、糸状成長を行い、その後別の細菌内で非二元分裂を行う捕食性細菌における極性タンパク質を探索した。その結果、極性タンパク質RomRとDivIVAの局在動態が明らかになり、RomRが糸状体母細胞における極性の同一性を示す初期の「ハブ」であることが明らかになった。また、miniTurboを用いた近接ラベリングにより、両者のユニークなタンパク質ネットワークを明らかにした。全体として、本研究は、二元分裂しない細菌の細胞極性に関する新たな知見を提供するものである。