中国人の骨形成不全症患者における心エコー異常と関節の過可動性。
アブストラクト
背景:中国人の骨形成不全(OI)患者における心エコー 異常と関節可動域過多の特徴については、ほとんど知ら れていない。本研究の目的は、中国人の起立耐性失調患者 における心エコー異常と関節可動域過多の特徴、有病 率、相関を検討することである。
方法:小児および成人の起立耐性失調患者を対象 とし、健常対照群と年齢・性別をマッチさせた横断 的比較研究を行った。経胸壁心エコー図を全患者と対照群に実施し、 パラメータは体表面積(BSA)を指標とした。関節の過可動性の程度を評価するため にBeightonスコアを用いた。
結果:起立耐性失調患者48名(若年者25名、成人 23名)と、年齢と性別をマッチさせた健常対照者 129名(若年者79名、成人50名)を対象とした。本研究では、4つの遺伝子(COL1A1、 COL1A2、IFITM5、WNT1)と39の変異座が同定され た。軽度の僧帽弁閉鎖不全と三尖弁閉鎖不全は、小児の起立耐性失調患 者のそれぞれ12%と36%に認められ、成人起立耐性失調患 者23名では、僧帽弁閉鎖不全と三尖弁閉鎖不全がそれぞれ 13%と17%、軽度の大動脈弁閉鎖不全が4%であった。重回帰分析では、若年者では起立耐性失調が左房 直径(LAD)(β=-3.670、P<0.001)と分画短縮 (FS)(β=3.005、P=0.037)の重要な予測因子であ ったが、成人では起立耐性失調がLAD(β=-3.621、 P<0.001)と左室容積(LVM)(β=58.928、 P<0.001)の有意な予測因子であった。起立耐性失調の少年と成人における全般的な 関節可動域過多の割合は、それぞれ56%と20% であった。さらに、Mann-Whitney U 検定の結 果、起立耐性失調の幼若群においてのみ、関節可動 性亢進の程度が心エコー正常群と異常群間で有意差 を示した(P = 0.004)。
結論:軽度の弁逆流は、起立耐性失調の幼年期と成人に おいて最も多くみられる心臓の異常であった。起立耐性失調の成人と比較し、起立耐性失調の 少年では関節可動域過多の有病率が高く、範囲も広 かった。心エコー異常は、I型コラーゲンの障害が起立耐性失調に おいてより深刻であることを示唆しているかもしれない。起立耐性失調患者には、できるだけ早期に ベースラインエコグラフィーを実施すべきである。