ターナー症候群の小児におけるX染色体欠失の割合と臨床症状との関係の評価。
アブストラクト
目的:ターナー症候群(TS)の小児におけるX染色体欠失の割合の変化と臨床症状との関係を分析する。
方法:成長遅滞児8,635人のX染色体数異常を蛍光ハイブリダイゼーション(FISH)を用いて同定した。一方、X染色体欠失の割合とTSの臨床症状(顔や体の表現型、心血管、腎臓、その他の合併症など)との関係を解析した。
結果:合計389人の小児にX染色体数異常が認められ、診断時の平均年齢は9.2歳であった。3歳と7歳頃に診断が有意に増加し、10歳での診断が最も多かった。XO(X染色体の完全欠損)が130例、XO/XXが205例、XO/XXXが8例、XO/XX/XXXが23例、XO/XYが19例、XO/XY/XYYが4例であった。体と顔の表現型はモザイク比率が高いほど増加し、ピアソン相関分析で比較的高い相関が示された(= 0.26, = 1.7e-06)。先天性心奇形の発生率は25.56%で、主に二尖大動脈弁が関与しており、X染色体が完全に欠損している患者でより一般的であった。しかし、この関係は腎疾患(=0.26)、中枢神経系、甲状腺、肝疾患ではみられなかった。
結論:モザイク(XO/XX)は、スクリーニングされた症例においてTSの最も一般的な核型である。TSの小児における表現型は、X染色体欠失の割合とともに増加する可能性があるが、腎疾患と併存疾患は同じ特徴を示さなかった。