米国における生後48ヵ月未満の小児の肺炎球菌疾患の発生率:1998-2019.
アブストラクト
背景:肺炎球菌感染症(PD)は、小児、特に低年齢層における罹患率と死亡率の主な原因である。本研究の目的は、米国で商業保険またはメディケイドに加入している幼児における年齢層別の肺炎球菌感染症発生率を経時的に評価することである。
方法:調査期間中(1998~2019年)、生年月日(DoB)が確認された48ヵ月未満の小児を対象に、診断コードを用いて侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)、全原因性肺炎(ACP)、急性中耳炎(AOM)のエピソードをMarketScan®商用およびメディケイド請求データベースで特定した。DoBは、正確な年齢判定を確実にするため、小児または母親の医療費請求から出生または分娩の診断コードを用いて割り付けた。年間罹患率(IR)は、0~6歳、7~12歳、12~24歳、25~48ヵ月の小児について、IPDとACPについては疾患エピソード数/10万人年(PY)、AOMについてはエピソード数/1,000PYとして算出した。
結果:年間IPD IRは、商業保険に加入している小児では1998年から2019年の間に53から7エピソード/10万PYに減少し、メディケイド保険に加入している小児では2001年から2019年の間に58から9エピソード/10万PYに減少した。年間ACP IRは、これらの期間にそれぞれ5,600から3,952エピソード/10万PYに、6,706から4,521エピソード/10万PYに減少した。いずれの集団においても、0~6ヵ月児のIPDおよび入院ACPの発生率が最も高かった。年間AOM IRは、これらの期間において、1,177エピソード/1,000PY(商業保険加入者)から738エピソード/1,000PYに、633エピソード/1,000PY(メディケイド保険加入者)から624エピソード/1,000PYに減少した。すべての疾患症状において、IRは農村部と都市部で高かった。
結論:IPD、ACP、AOMの罹患率は、1998年から2019年にかけて、民間保険およびメディケイドに加入している小児において減少した。しかし、疾患の負担は依然として大きく、メディケイド保険加入小児と商業保険加入小児ではIPDとACPの年間IRが高かった。IPDと入院ACPは生後0~6ヵ月の年少児に最も多く、次いで生後7~12ヵ月であった。