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中国北部の1型糖尿病小児における網膜神経線維層の早期変化。
アブストラクト
目的:本研究の目的は、中国北部の網膜症のない1型糖尿病(T1DM)小児と健常者の網膜神経線維層(RNFL)の相違を明らかにすることである。
方法:2019年1月から2021年7月まで、天津医科大学総合病院小児科で実施された病院ベースの横断研究である。T1DMを有するが網膜疾患のない小児をスクリーニングした。RNFL厚は、スペクトラルドメイン光干渉断層計で測定した。罹病期間、HbA、25-ヒドロキシビタミンD値、インスリン療法、食事管理状況も収集した。
結果:20名のT1DM患児と20名のマッチした健常人が登録された。T1DM群の平均年齢は10.3±2.8歳、糖尿病罹病期間の中央値は1年(範囲1-3)であった。T1DM患児は対照群と比較して平均RNFLが薄く(105±6 vs. 110±11μm、p=0.008)、特に側頭部と鼻部で顕著であった。T1DM群では、HbA値とRNFL厚の間に有意な負の相関がみられた(B(95%信頼区間)):-4.313(-7.055〜-1.571);p=0.005)。
結論:本研究では、T1DM早期小児において、RNFL厚の減少はHbAの上昇と負の相関を示した。