COVID-19パンデミックがブリティッシュ・コロンビア州のHIVとともに生きる女性の妊娠転帰に与えた影響に関するレトロスペクティブ・コホート研究。
アブストラクト
背景:HIVとともに生きる妊婦(WLWH)にとって、ケアへの参加は妊産婦の健康と周産期感染のリスク軽減にとって極めて重要である。これまでカナダでは、COVID-19の流行が妊娠中のWLWHに及ぼす影響を検討した研究はない。
方法:カナダのブリティッシュコロンビア州における周産期HIVサーベイランスプログラムのデータを用いて、パンデミックが妊娠中のWLWHの周産期転帰に与えた影響を評価する後ろ向きコホート研究である。プレパンデミックコホート(2017年1月~2020年3月)とパンデミックコホート(2020年3月~2022年12月)の間で、母親の特性、妊娠転帰、ケアへの関与に関連する臨床指標を比較した。ロジスティック回帰分析を用いて、説明変数と早産率を調査した。
結果:プレパンデミックコホート(n=87)は、パンデミックコホート(n=56;15% vs 37%)と比較して、初回出産時の妊娠月齢が有意に(P<0.05)低く(9.0 vs 11.8)、早産率も低かった。早産の調整オッズは、WLWHでは妊娠中の物質使用の有無とともに増加した(aOR=10.45、95%信頼区間:2.19~49.94)。パンデミックコホートではHIVの周産期感染が2例あったが、プレパンデミックコホートでは1例もなかった。
結論:パンデミックは、ブリティッシュ・コロンビア州の妊娠中のWLWHとその乳児に顕著な影響を及ぼした。周産期感染率の非統計的に有意な増加は、臨床的に重要である。