エチオピア、アディスアベバの特定の病院の小児科患者における重症市中肺炎からの回復時間の予測因子:施設ベースのレトロスペクティブコホート研究。
アブストラクト
目的:重症市中肺炎(SCAP)は世界的に罹患率の大きな原因であり、発展途上国では罹患率と死亡率の大きな原因である。エチオピアは、5歳未満の小児の肺炎による死亡率が最も高い15カ国中6位である。本研究の目的は、アディスアベバの特定の病院の小児患者におけるSCAPからの回復時間とその要因を明らかにすることである。
デザイン、参加者、設定:2018年1月1日から2020年12月31日までにアディスアベバの公立病院でSCAPで入院した無作為抽出の小児患者407人を対象にレトロスペクティブコホート研究を実施した。
主要アウトカムと副次アウトカム:SCAPからの回復時間と回復率をそれぞれKaplan-Meier統計と単純度数統計を用いて推定し、回復の関連因子を特定するために95%CIを用いた調整HRを用いた。
結果:91.5%(95%CI:88.3%~94.1%)の小児がSCAPから回復し、全回復率は観察100人日あたり11.5(95%CI:10.37~12.76)、回復期間の中央値は6日であった。多変量解析では、年齢が高いことと合併症がないことが早期回復の保護因子であり、発育阻害と医療利用の遅れが危険因子であった。
結論:SCAP後の回復時間の中央値は、英国胸部学会のガイドラインに示された至適回復時間3日と比較して非常に長かった。高齢と合併症のないことが回復時間を短縮する一方で、発育阻害と治療開始の遅れが回復を遅らせることがわかった。したがって、栄養不良をなくすための一次予防や地域での医療利用を増やすなど、回復率を高め回復時間を短縮する対策を強化し、保健従事者は併存疾患の早期発見・治療に力を入れるべきである。