成人の鼻咽頭-口腔咽頭のコロニー形成因子としての肺炎球菌:システマティックレビューとメタアナリシス。
アブストラクト
背景:肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae:Spn)は、通常小児の上気道に定着する常在性の病原体である。同様に、Spnのコロニー形成は肺炎球菌による侵襲性疾患の発症に重要な因子であると考えられてきた。しかし、成人におけるSpnの有病率は依然として不明である。本研究では、成人におけるSpn鼻咽頭-口腔咽頭コロニー形成(NOC)の有病率を調べるために、系統的レビューとメタ解析を行った。
方法:厳密な選択基準に従った適格な研究を同定するために、科学データベースの系統的レビューを利用した。その後、成人(18歳以上)におけるNOC有病率を確定するためにメタ解析を実施した。異質性と感度分析は、微生物同定法、サンプルタイプ、年齢サブグループを用いて評価した。
結果:初期選択には69の研究が含まれ、メタ解析には37が選択され、23,724人が参加した。成人におけるSpn NOCの全有病率(95%CI)は6%(5-9)であった。サブグループ解析の結果、18〜64歳の若年成人(YA)の有病率は10%であったのに対し、65歳以上の高齢成人(OA)の有病率は2%であった。Spn NOCの同定は、使用する診断法によって異なる可能性がある。高い異質性(I2 > 90 %)が観察されたが、同定方法を口腔咽頭ぬぐい液に限定した解析では70 %に減少した。さらに、同定方法として従来の培養に限定した場合には、異質性は58%に減少した。
結論:本研究は、成人におけるSpn NOCの有病率が低いことを明らかにした。特筆すべきことに、Spn NOCの有病率は高齢者よりも若年者で高かった。研究間の有意な異質性を強調することは不可欠であり、これはSpn NOCの同定に標準化された方法がないことを示している。