ヒトパピローマウイルスワクチンの接種開始年齢が、人種/民族とワクチンシリーズ完了との関連に及ぼす影響。
アブストラクト
背景:ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種開始年齢が15歳未満では2回、15歳以上では3回であることが2016年に推奨されているにもかかわらず、接種継続率は低い。本研究では、思春期のHPVワクチン接種開始者において、接種開始時の年齢が人種/民族とUTDとの関連にどのように影響するかを検討した。また、他の思春期ワクチンの接種がUTDにどのような影響を及ぼすかについても検討した。
方法:The National Immunization Survey - Teenの2016年から2020年のデータの二次解析を行った。ワクチンシリーズ開始と関連する特徴を調査し、開始者におけるUTDの評価に使用した。すべてのデータに重み付けを行った。特性とHPVワクチン接種開始との関連は、Rao Scottカイ二乗検定および単変量ロジスティック回帰を用いて検討した。人種/民族で層別化した多変量二値ロジスティック回帰モデルでは、独立変数と接種開始のオッズおよび接種開始者におけるUTDとの関連の強さを算出した。
結果:最終的なサンプルサイズは99,719例で、HPVワクチン接種を開始したのは67,855例(68.1%)であった。HPVワクチン接種開始者のうち、ヒスパニック系と黒人の青年はUTDのオッズが低かった。しかし、9~10歳の接種開始者は12歳の接種開始者に比べてUTDのオッズが高かった(aOR:5.71;95%CI:3.78-8.63)。12歳未満の接種開始者におけるUTDのオッズ増加は、人種/民族グループ全体で認められた。インフルエンザワクチン接種は、白人(aOR:0.76;95%CI:0.65-0.88)および黒人の青年(aOR:0.67;95%CI:0.46-0.96)におけるUTDのオッズ低下と関連していた。
結論:すべての青少年におけるUTDを改善するためには、患者がHPVワクチンシリーズを確実にUTDしていることを確認するための強力な推奨が不可欠であり、機会損失を減らすために他のワクチンを接種する際にはフォローアップを行うべきである。