英国の前向きコホート研究において、ビッグファイブ性格特性および認知能力と、母親および子供におけるCOVID-19ワクチン接種のためらいおよび接種率との関連を検討。
アブストラクト
背景:ワクチンは、感染症による症状の重症度、入院や死亡のリスクを軽減する。しかし、ワクチン接種をためらう人は後を絶たない。ワクチン接種をためらう心理的危険因子を特定する研究は限られており、相反する結果が報告されている。本研究では、このような矛盾を解決し、前向きコホート研究においてCOVID-19ワクチン接種のためらいと接種率における性格と認知能力の役割を明らかにすることを目的とした。
方法:Avon Longitudinal Study of Parents and Children(ALSPAC)の若年成人(Generation-1;G1)とその母親(Generation-0;G0)のデータを用いた。いくつかの社会人口学的交絡因子を調整した多項ロジスティック回帰を用いて、性格および認知能力がCOVID-19ワクチン接種のためらいおよび接種率と関連するかどうかを検討した。4,960人のG1と4,853人のG0の母親が研究集団に含まれた。
結果:G1では38.4%がワクチン接種を躊躇していたが、91.9%が接種を受けた。調整モデルでは、開放性、同意性、良心性、認知能力のレベルが高いほどワクチン接種を希望する確率が高かった。同様に、同意性、開放性、認知能力のレベルが高いほど、ワクチン接種を受ける確率が高かった。しかし、ワクチン摂取との関連を示す証拠は、ワクチン接種のためらいとの関連よりも概して弱かった。G0の母親では、25.6%がワクチン接種を躊躇していたが、99.0%がワクチンを接種した。3.1%がワクチン接種を望まないと答えたが、そのうちの約80%は接種を受けたか、受けるつもりであった。G0の母親における認知能力とワクチン接種のためらいとの関連については、決定的な証拠は得られなかった。
解釈:本研究は、ワクチン接種のためらいと接種率に関連する心理学的要因を明らかにした。これらの関連に因果関係があるとすれば、これらの知見は、より効果的なワクチン接種のためらいへの介入策の設計に役立つかもしれない。