Stenotrophomonas maltophilia新生児敗血症:症例報告。
DOI:10.1186/s13256-024-04479-2
アブストラクト
背景:ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)はグラム陰性菌で、ヒトの日和見感染症や院内感染症の原因菌として知られている。S. maltophiliaは、増加する有病率、多様な疾患スペクトラム、内在性の多剤耐性、免疫不全患者における高い死亡率から、懸念される新興病原体である。S. maltophiliaは、重大な罹患率と死亡率を伴う新生児敗血症のまれな原因である。この細菌の多剤耐性は、その耐性に寄与する様々な機序により、治療に大きな課題を投げかけている。
症例提示:新生児敗血症の症状を呈したアフリカ系新生児(40歳男性)の症例を報告する。血液培養の結果、Stenotrophomonas maltophiliaが検出され、シプロフロキサシンとゲンタマイシンには感受性であったが、他の抗生物質には耐性であった。父親が拒否したため、腰椎穿刺による髄液採取はできなかった。この新生児には、国のガイドラインに従った経験的第一選択抗生物質をアンピシリンとゲンタマイシンの静脈内投与で6日間治療した。
結論:多剤耐性菌であり、新生児敗血症のまれな原因菌であるS. maltophiliaによる新生児敗血症症例の報告である。早期発見と局所のアンチバイオグラムデータに基づく抗菌薬管理が、患者管理の成功に不可欠であることを報告する。