早産の脳損傷の大きさと部位、および神経発達アウトカムとの関連。
アブストラクト
背景と目的:超早産児における白質損傷(WMI)および脳室周囲出血性梗塞(PVHI)の体積と部位と18ヵ月後の神経発達との関連を検討した。
方法:妊娠32週未満で出生した乳児254名を3つの新生児集中治療室(NICU)で前向きに募集した。乳児は早期(中央値33.1週)および/または期相当(中央値41.9週)MRIを受けた。WMIとPVHIは92例の乳児で定量化のために手動で分割された。母親の最高学歴は社会経済的地位の指標とし、第1群=小学校/中学校、第2群=学部卒、第3群=大学院卒と定義した。18ヵ月の神経発達評価は、Bayley Scales of Infant and Toddler Development, Third Editionを用いて行われた。有害転帰は85点未満と定義された。多変量線形回帰モデルを用いて、脳損傷(WMIおよびPVHI)量と神経発達転帰との関連を検討した。ボクセル単位の病変症状マップを作成し、脳損傷の部位と神経発達転帰との関連を評価した。
結果:脳損傷の体積が大きいほど、18ヵ月後の運動機能のスコアが低かった(β=-5.7、95% CI -9.2~-2.2、=0.002)一方、母親の教育レベルが高いほど認知機能のスコアが高かった(3群1群:β=14.5、95% CI -2.1~26.9、=0.03)。ボクセル単位の病変症状マップでは、中心白質と頭頂白質を含む脳損傷は、より悪い運動転帰のリスク増加と関連していた。
考察:脳損傷の体積と位置は、認知的転帰ではなく運動的転帰の有意な予測因子であることがわかった。具体的には、病変の大きさと位置を評価することで、より悪い運動転帰のリスクが高い脳損傷児をより正確に同定できる可能性がある。また、これらのデータは、脳損傷を有する早産児においても、認知的転帰における社会経済的地位の重要性を強調している。