ガーナにおける伝染性膿痂疹の有病率と決定要因:横断研究。
DOI:10.1186/s12879-024-09242-y
アブストラクト
はじめに:膿痂疹のような皮膚疾患は、低資源環境における公衆衛生上の重要な課題である。にもかかわらず、ガーナにおけるこの疾患の有病率に関する疫学データは乏しい。
方法:我々は、ガーナの3つの環境(北東地域の東マンプルーシ地区の地域住民、セキエレ・イースト地区の中学校、アシャンティ地域のクマシ中央刑務所の受刑者)で横断研究を行った。研修の後、参加者一人ひとりに標準化された皮膚検査を行い、疥癬と伝染性膿痂疹の有無を評価した。それぞれの皮膚疾患の有病率を算出し、膿痂疹の決定因子を調査した。
結果・所見:参加者1327名(男性64.1%、年齢中央値22歳(16-29歳))のうち、746名(56.2%)が疥癬、186名(14%)が膿痂疹であった。膿痂疹を有する参加者のほとんどが疥癬も有していた(161/186、86.6%)。痒み[RR 6.05(95%CI 2.53-14.47)]、疥癬の巣の存在[RR 1.99(95%CI 1.54-2.59)]、臨床的疥癬[RR 3.15(2.11-4.72)] または就学前[RR 4.56(1.78-11.67)] が膿痂疹のリスクを増加させた。臨床的疥癬の有無、年齢、性別、痒みの組み合わせが、膿痂疹に罹患する確率を最も正確に予測した。
結論:ガーナでは、膿痂疹と疥癬の負担が大きい。このような環境における疾患の災禍を軽減するために、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの一環として、これらの一般的な皮膚疾患の発見と管理を改善するための対策を講じる必要がある。