妊娠前の母親のBMIと乳児の線条体平均拡散率との関連。
DOI:10.1186/s12916-024-03340-z
アブストラクト
背景:親の肥満が子供の肥満の強い危険因子であることはよく知られている。さらに、母親の体重プロファイルが、将来の肥満リスクをもたらすような形で、発育中の子供の脳に影響を与える可能性があることを示唆する証拠が、現在、集まってきている。ここでは、妊娠前の母親の体重状態が、胎内発育中の子供の脳の報酬関連線条体領域にどのような影響を及ぼすかを調べた。
方法:新生児(N = 116 [男性66名,女性50名],出生時平均妊娠週数[39.88],SD = 1.14;スキャン時平均妊娠週数[43.56],SD = 1.05)の注目すべき線条体脳領域の微細構造を定量化するために拡散テンソルイメージングを用いた。母親の妊娠前の体格指数(BMI)と新生児の線条体平均拡散率との関連を検定するために線形回帰を用いた。
結果:母親の妊娠前のBMIが高いことは、乳児の左尾状核の平均MD値が高いことと関連していた。結果は共変量の調整後も変わらなかった。
結論:母親の脂肪率への胎内曝露は、乳児の左尾状核の平均拡散率に成長を阻害する影響を及ぼす可能性がある。尾状核がその後の摂食行動や食物に関連した報酬処理に関与していることを考慮すると、この知見は、早期の尾状核の発達と子孫の体重の推移との予後的関連性を明らかにするためのさらなる研究を必要とする。