クレアチントランスポーター欠損症(SLC6A8)の臨床的特徴、発達の軌跡、および介護者の負担。
アブストラクト
背景と目的:クレアチン・トランスポーター欠損症(CTD)は、知的障害を特徴とするまれなX連鎖性遺伝性疾患である。我々は、CTD患者の臨床的特徴と経過、およびこの疾患が介護者に与える影響を評価し、将来の治療試験に関連するエンドポイントを同定した。
方法:フランス国立研究プログラムの一環として、(1)病原性変異体、(2)知的障害および/または自閉症スペクトラム障害に基づき、CTD患者を対象とした。家族と患者は、遺伝子解析を依頼した医師から、希少原因によるIDおよび遺伝性代謝疾患のリファレンスセンターを通じて紹介された。患者とその保護者にこの研究について説明した後、全員が文書による同意を与え、この研究に参加した。年齢と性別が一致したフラジャイルX症候群の対照群も対象とした。身体診察、神経心理学的評価、介護者の影響を評価した。すべてのデータはRソフトウェアを用いて解析した。
結果:31名の患者(男性27名、女性4名)が含まれた(25/31名が18歳以下)。ほとんどの患者(71%)は生後24ヵ月未満で症状がみられた。診断時の平均年齢は6.5歳であった。てんかんは45%にみられた(平均発症年齢8歳)。早期発症の行動障害は82%にみられた。発達は一貫して遅れていた(巧緻運動、粗大運動、言語、コミュニケーション/社会性)。CTD患者の半数には、生後1年目に軸索緊張低下がみられた。全例が介助なしで歩行可能であったが、7/31に運動失調がみられ、14/31のみがタンデム歩行が可能であった。ほとんどの症例に巧緻運動異常(27/31)、言語障害(30/31)がみられたが、男性12/23例(52.2%)がPeabody Picture Vocabulary Testを完遂した。約半数(14/31)は細身の体格であった。ほとんどの患者は看護を必要とし(20/31)、通常1〜4時間/日であった。適応評価(Vineland)により、男性CTD患者は中等度から重度の知的障害であることが確認された。ほとんどの介護者(79%)は、介護者負担目録(CBI)>36(脆弱X症候群の患者より有意に高い)で示されるように、時間依存の負担が大きく、燃え尽きの危険性があった。
考察:てんかんの評価や患者の発達経過などの臨床的評価項目に加え、Vineland scale、PPVT5、CBIは今後の臨床試験のアウトカム指標として特に注目される。
試験登録情報:ANSM登録番号2010-A00327-32。