9歳から17歳の子供を持つレバノン人の母親におけるHPVワクチン接種に関する知識と認識。
アブストラクト
背景:ヒトパピローマウイルス(HPV)は性感染症のひとつであり、子宮頸がんをはじめとする様々な疾患に関連している。HPVワクチン接種は、子宮頸がんやその他のHPV関連の問題を予防するために極めて重要である。世界的に10代の若者の間でHPVワクチン接種が受け入れられていないのは、保護者のHPVに対する理解や情報不足によるところが大きい。本研究では、レバノンの保護者の知識、態度、意思、HPVワクチン接種のレベルを評価するとともに、レバノンの母親の子供へのワクチン接種の意思に影響を与える変数を評価することを目的とした。
方法:2022年5月から6月にかけて、392人を対象とした横断調査ベースの研究を実施した。本調査では、両親の子供へのHPVワクチン接種意向、HPVに関する知識、HPVワクチンについて評価した。データは匿名の電子質問票によって収集された。従属変数である「ワクチン接種意向」と副次変数との関係を調べるために、Student t-testとANOVAを用いて二変量解析を行った。統計的有意水準はすべてのデータについて0.05とした。
結果:参加者392名のうち、子供にHPVワクチン接種を受けさせたいと回答したのは63%であった。HPVワクチン接種の意向」と、母親の国籍、父親の教育レベル、1ヶ月あたりの世帯収入、HPVワクチンに関する情報の入手、両親のHPVワクチン接種、HPVワクチンの保険適用、子どもの必要なワクチン接種、HPVに関する知識、HPVワクチンに関する知識との間に正の有意な関連が示された。さらに、親がHPVについて知っている場合、子どものワクチン接種への意欲は1.832倍、知識レベルが1ポイント上がると1.207倍になる。
結論:大多数の親は、HPVに関するほとんどの記述について一般的な理解を欠いていた。このことは、HPVに対する親の認識、理解、態度を高め、その結果、子供のワクチン接種に対する親の同意を高めるための教育的介入の必要性を強調している。青少年のワクチン接種率を高めるために、政府当局はHPVワクチンをすべての病院や診療所で接種できるようにし、無料で提供すべきである。