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乳幼児および小児のアトピー性皮膚炎治療におけるデュピルマブのレビュー。
アブストラクト
アトピー性皮膚炎(AD)は、一般的なそう痒性の慢性炎症性皮膚疾患であり、患者のQOLに大きな影響を与える。乾燥し、かゆみがあり、湿疹のような発疹が特徴である。ADは幼児に多くみられ、他の様々なアレルギー疾患との関連も指摘されている。従来の薬物療法では、ADの幼児を治療するには一定の限界がある。しかし、生物学的製剤は幼児患者の治療において臨床応用の見込みがある。デュピルマブは完全ヒト型モノクローナル抗体で、IL-4 Rαサブユニットに特異的に結合し、IL-4とIL-13のシグナル伝達を阻害し、2型炎症反応の発生をブロックする。この抗体は、中等度から重度のADの乳幼児および小児の治療に良好な効果を示す。本総説では、幼児・小児のAD治療におけるデュピルマブの安全性と有効性、早期介入によるAD進行への影響について検討し、若年AD患者の治療にデュピルマブを使用する際の臨床実践に役立てることを目的とする。