単一NICUセンターにおける神経発達および発育転帰の独立した危険因子としての持続性急性腎障害。
アブストラクト
目的:急性腎障害(AKI)は新生児集中治療室(NICU)でよくみられ、後期予後不良につながる可能性がある。本研究では、持続性AKI(SAKI)が新生児の神経発達障害(NDI)と早期成長制限(EGR)に及ぼす影響を評価した。
方法:この症例対照研究は、2007年1月から2020年12月までの期間に3次医療施設のNICUでSAKIと診断された新生児の診療記録をレトロスペクティブに分析したものである。その後の経過観察がない症例および死亡に至った症例は除外した。人口統計学的データ、生化学的データ、臨床転帰データを分析した。
結果:SAKIを発症した新生児93例のうち、51例(54.8%)を本研究に組み入れ、42例(45.2%)を追跡調査不能または死亡により除外した。年齢を一致させた対照群は、AKIやSAKIを経験したことのない新生児103例からなり、無作為に選択された。合計で59例(38.3%)がNDI、43例(27.9%)がEGRと同定された。多変量解析の結果、SAKI患者はNDI(オッズ比[OR]=4.013、p=0.001)およびEGR(OR=4.894、p<0.001)の発症リスクが有意に高いことが明らかになった。AKIインターバルの受信者動作特性曲線下面積は、NDIが9.5日で0.754、EGRが12.5日で0.772であった。
結論:SAKIは新生児のNDIとEGRの独立した危険因子である。したがって、腎障害を経験したこれらの新生児に対しては、定期的なモニタリング、神経学的発達評価、適切な栄養アドバイスが極めて重要である。