知的発達障害(IDD)の生徒が通う学校におけるCOVID-19時の換気。
アブストラクト
背景:本研究は、知的発達障害(IDD)のある生徒が通う専門学校において、20ヵ月間にわたる教室の換気(1時間あたりの換気量(ACH))およびCO2曝露量1,000ppm以上とSARS-CoV-2の発症率との相関を調べた。これらの生徒は、緩和措置(例えばマスキング)に耐えられないため、SARS-CoV-2による呼吸器感染のリスクが高かった。学校におけるSARS-CoV-2感染のリスクを軽減するために提案された学校内対策のひとつは、換気の強化である。
方法:ロチェスター大学とMary Cariola CenterというIDDの生徒が通う学校との間で、地域社会と連携した研究パートナーシップを構築した。100の学校の部屋で周囲のCO2濃度を測定し、1時間あたりの換気量(ACH)を算出した。各部屋のSARS-CoV-2症例数を20ヶ月にわたって収集した。
結果:97%の部屋で推定ACHが4.0以下であり、7%の部屋では1日3時間までCO2レベルが2,000ppm以上であった。部屋のCO2レベルが1,000ppm以上であった時間とSARS-CoV-2 PCR検査の間には、統計的に有意な相関が認められ、これは部屋の占有率で正規化され、分散の43%を占めた。部屋のACHと部屋ごとのSARS-CoV-2症例には統計的に有意な相関は認められなかった。MERV-13フィルターを使用した換気システムのある部屋では、SARS-CoV-2陽性PCR数が少なかった。これらの結果から、この地域参加型研究プロジェクトでは、換気システムを改良する努力を続けている。
結論:IDD校において、室内のCO2濃度が1,000以上であった時間の合計とSARS-CoV-2症例の間には統計的に有意な相関があった。Merv-13フィルターはSARS-CoV-2感染の発生率を減少させるようである。この研究提携により、学校内の換気を改善するための領域が特定された。