乳児気管支炎エンドタイプと小児喘息発症リスク:コホート研究からの教訓。
アブストラクト
乳幼児期の重症細気管支炎(すなわち、入院を要する細気管支炎)は、小児喘息発症の高いリスクと関連する不均一な病態である。しかし、細気管支炎と喘息の関連に潜む正確な機序は不明なままである。出生コホート研究では、細気管支炎の既往を有する少数の患者群のみを含む集団レベルでこの関連を報告しており、その根底にある生物学的メカニズムの同定が試みられている。このような証拠は貴重な知見をもたらしたが、重症細気管支炎-喘息の発症機序に関してはまだ未解決の問題がある。最近、いくつかの気管支肺炎コホート研究が、生物学的データに偏りのない分析的アプローチを適用することによって、これらの疑問に答えようとしている。これらのコホート研究により、喘息発症のリスクが高い新規の気管支肺炎サブタイプ(すなわちエンドタイプ)が同定され、本質的かつ啓発的な証拠となっている。例えば、1つの異なる重症呼吸性合胞体ウイルス(RSV)細気管支炎のエンドタイプは、Moraxella catarrhalisとStreptococcus pneumoniaeの存在、より高レベルのI/II型IFN発現、鼻気道サンプルにおける炭水化物代謝の変化によって特徴付けられ、小児喘息発症の高リスクと関連している。これらの知見は、小児喘息予防に焦点を当てた今後の研究計画にとって重要であるが、検証を要する。しかし、このスコーピングレビューは、上記の知見を臨床的な文脈に置き換えるものであり、新たな気管支炎治療法を提供し、喘息予防に貢献することを目的とした、この分野における今後の研究の意義を強調するものである。