ドバイのサラセミアセンターで治療を受けているβ-サラセミア小児の成長と内分泌障害。
アブストラクト
背景:β-Thalassemia major(BTM)は、世界的に最も一般的な遺伝性貧血の一つである。患者は輸血の繰り返しによる鉄過剰症に苦しんでおり、その結果、多臓器障害や内分泌障害を引き起こしている。本研究の目的は、Dubai Thalassemia Centreで治療を受けたBTMの小児および青年における成長遅延、甲状腺機能低下症、糖尿病の有病率を評価することである。
方法:このレトロスペクティブ観察研究では、105名の小児および青年を対象とした。
結果:39人の小児と66人の青年のデータが解析された。女性は小児の51.3%(n=20)、青年の53.0%(n=35)を占めた。輸血前のヘモグロビン量が9gm/dl未満であったのは、小児で10.8%(n=4)、青年で10.6%(n=7)であった。平均初潮年齢は13.5歳であった。全研究参加者のうち、22.6%(n=14)は身長速度が正常であったが、37.1%(n=23)は1年間で身長速度が低下し、40.3%(n=25)は2年連続で身長速度が低下した。身長速度の低下を示した小児および青年の割合は、男性に比べて女性で有意に高かった(それぞれ90.6%対63.3%、カイ二乗=6.597、p値=0.010)。研究参加者の中に糖尿病患者はいなかったが、26.1%(n=12/46)が糖尿病予備軍であった。TSHの上昇は小児14.7%(n=5)および青年8.1%(n=5)で観察され、FT4の低下は小児1人および青年1人で報告された。
結論:BTMの小児および青年にみられるすべての内分泌障害の中で、成長遅延は依然としてこの患者群の主な関心事である。内分泌障害をさらに減らすためには、効果的な治療が鍵となる。サンプル数は限られているが、ドバイサラセミアセンターで治療を受けたBTM小児の内分泌障害の割合が低いこと、および輸血前貧血のレベルが低いことは、同センターでの効果的な輸血とキレーションを反映していると考えられる。