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バセドウ病甲状腺皮膚症:症例報告。
アブストラクト
背景:バセドウ病は、甲状腺のびまん性腫大と機能亢進を引き起こす甲状腺の自己免疫活性化である。バセドウ病の症状は多系統に及び、甲状腺眼症、甲状腺皮膚症とも呼ばれる前脛骨粘液水腫、甲状腺皮膚症の重症型とされる甲状腺先端症が含まれる。本稿では、甲状腺皮膚症の非典型的な症例に焦点を当てる。
症例提示:11歳のサウジアラビア人男性が、顕著なびまん性甲状腺腫と外眼症を呈した。検査結果はバセドウ病と一致した。身体所見では、足首と陰茎にびまん性で孔のない腫脹を認め、リンパ管奇形を模倣していた。さらに、複数の結節が手と足にみられた。結節を焼灼で治療した結果、結節はより重症化した。
結論:この報告は、リンパ管奇形を模倣した甲状腺皮膚症のまれな症例について述べたものである。ケブナー現象はこの患者の非典型的な症状を説明できる。トリアムシノロンの局所注射と甲状腺全摘術により、明らかな改善がみられた。