小児慢性アデノイド炎および慢性鼻副鼻腔炎における患者報告アウトカム指標と内視鏡所見との相関。
アブストラクト
背景:成人の慢性鼻副鼻腔炎(CRS)を対象とした研究では、患者報告アウトカム指標(PROM)と客観的所見との相関が低いことが示された。我々の目的は、小児の慢性アデノイド炎(CA)およびCRSにおいて、副鼻腔・鼻QOL(SN-5)および22項目の副鼻腔アウトカムテスト(SNOT-22)調査と内視鏡所見との相関を検討することである。
方法:CAまたはCRSで受診したすべての小児患者(2~18歳)を対象とした横断研究を行った。患者および介護者は、初診時および経過観察時にSN-5およびSNOT-22質問票に記入した。人口統計および併存疾患を収集した。客観的所見として、内視鏡検査によるModified Lund-Kennedy(MLK)スコアとアデノイド組織サイズを記載した。
結果:124人の小児が対象となり、平均年齢は9.9歳(SD = 4.8)、46.8%が女性であった。36.3%がアレルギー性鼻炎、23.4%が喘息、4%が閉塞性睡眠時無呼吸症候群であった。SNOT-22の鼻科領域とMLKスコアの間に中等度の相関が認められ(r = 0.36, p = 0.001)、SN5スコアとアデノイドの大きさの間には全患者で中等度の相関が認められた(r = 0.39, p < 0.001)。SNOT-22スコアはアデノイドの大きさと中程度の相関(r = 0.42, p < 0.001)を示し、特にCA患者において顕著であった(r = 0.54, p < 0.001)。SN5スコアとMLKスコアの相関は、アレルギー性鼻炎または喘息を有する小児で高かった。SN5とアデノイドの大きさとの相関は、アレルギー性鼻炎または喘息を有する小児で低かった。
結論:CAまたはCRSの小児では、主観的所見と客観的所見に乖離がある。身体所見はCRSが小児のQOLに及ぼす影響を反映していない可能性がある。