1990年から2019年までの小児のアレルギー疾患の世界、地域、国の疫学:世界疾病負担調査2019の所見。
アブストラクト
目的:このモデリング研究は、30年間の小児アレルギー疾患の負担を推定することを目的とした。
デザイン: 集団ベースの観察研究。
主要アウトカムと測定法:アトピー性皮膚炎(AD)や喘息などの小児アレルギー疾患の発生率、死亡率、障害調整生存年(DALY)に関するデータは、Global Burden of Disease study 2019オンラインデータベースから取得した。このデータセットは、異なる地域、年齢、性別、社会人口統計指数(SDI)を含む様々なグループにまたがり、1990年から2019年までの期間をカバーしている。
結果:2019年、世界には約8100万人の喘息の子どもと560万人のADの子どもがいた。小児喘息の世界罹患率は2,000万人であった。年齢標準化罹患率は、喘息では1990年の人口10万人当たり1075.14(95%不確実性区間(UI)、724.63~1504.93)から2019年には1030.33(95%UI、683.66~1449.53)と4.17%の減少を示した。同様に、ADの発生率は5.46%減少し、1990年の人口10万人当たり594.05(95%UI、547.98~642.88)から2019年には561.61(95%UI、519.03~608.29)となった。喘息とADの罹患率はともに5歳未満の小児で最も高く、年齢とともに徐々に減少した。興味深いことに、SDIの上昇は両疾患の発生率の上昇と関連していた。しかし、喘息の死亡率とDALYは対照的な傾向を示した。
結論:過去30年間、死亡率は著しく低下しているにもかかわらず、喘息とADの新規症例は世界的に増加している。しかし、小児におけるこれらのアレルギー疾患の有病率は、地域、国、年齢層によってかなり異なっている。このばらつきは、正確な有病率評価の必要性を浮き彫りにしている。これらの評価は、予防と治療のための効果的な戦略を策定する上で不可欠である。