重要な発達段階におけるコロニー形成から、栄養不足時の成長と免疫における微生物相依存的なシフトが明らかになった。
アブストラクト
背景:小児期の栄養不良は、生涯にわたって壊滅的な影響を及ぼす世界的な健康上の大きな課題である。低栄養による線状発育阻害は、健康状態の悪化と関連しており、小児期に発育阻害を経験した母親は、後に発育阻害児を出産する可能性が高い。これらの知見に基づき、我々は、栄養不良のヒトドナーの微生物叢をマウスに世代間コロニー形成させることで、この疾患で観察される特定の免疫と成長の変化を再現できるかもしれないという仮説を立てた。
結果:この仮説を検証するために、我々は健康あるいは発育不良のヒト乳児由来の微生物叢を用いて、低栄養のgnotobioticマウスモデルを開発した。発育不全児由来の微生物叢による世代間コロニー形成は、直線的な発育を低下させ、腸絨毛の鈍化、肝臓IGF-1の低下、小腸における上皮内リンパ球や形質細胞の蓄積など、低栄養と腸症の免疫学的特徴の発現につながった。対照的に、離乳後のコロニー形成は、これらの異なる微生物群集間の宿主表現型の変化を少なくした。
結論:これらの結果は、離乳期に免疫系が微生物産物に暴露されることが、その後の免疫機能を決定する重要な要因であることを示したこれまでの知見とほぼ一致している。全体として、ヒトの微生物叢サンプルを用いた世代間コロニー形成は、微生物叢に依存した生後早期の成長と免疫の変化を調べるのに有用なアプローチであることが示唆された。低栄養の世代間的かつ多因子的性質を捉えるマウスモデルは、この疾患の根底にある生物学を理解する上で極めて重要である。ビデオの要約