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メトホルミンは絨毛細胞株におけるジカウイルス感染を阻害する。
アブストラクト
ジカウイルス(ZIKV)感染は、特に子宮内感染の新生児において、神経学的症状を含む重篤な臨床転帰と関連している。しかし、認可されたワクチンや特異的な抗ウイルス剤はまだ利用できない。そのため、特に妊婦にとって安全で低コストの治療法が必要とされている。この点に関して、妊娠糖尿病の治療薬としてFDAに承認されているメトホルミンは、HUVEC細胞において、AMPKを活性化することにより試験管内で抗ZIKA効果を示したことがある。本研究では、JEG3寛容絨毛細胞株を用いて、試験管内でZIKV感染時のメトホルミン投与を評価した。その結果、メトホルミンはウイルスの複製とタンパク質合成に影響を与え、ZIKV感染によって促進される細胞骨格の変化を逆転させることが示された。さらに、メトホルミンは、感染の脂質生成活性化に関連する脂質滴形成を減少させる。以上の結果から、メトホルミンは、絨毛細胞におけるin vitroのZIKV感染に対する抗ウイルス薬としての可能性が示唆された。