急性呼吸窮迫症候群の非挿管COVID-19患者における意識的腹臥位:系統的レビューとメタ解析。
アブストラクト
目的:急性呼吸窮迫症候群の非挿管COVID-19患者において、気管内挿管と死亡率に対する臥位姿勢の影響を系統的に検討すること。
方法:プロトコール(CRD42021286711)を登録し、開始時から2022年12月31日までに4つのデータベースと灰色文献を検索した。観察研究と臨床試験を対象とした。発表日や言語による制限はなかった。症例報告、ケースシリーズ、全文が公開されていない研究、および18歳未満の小児を対象とした研究は除外した。
結果:観察研究10件、臨床試験8件、患者3,969人、気管内挿管イベント1,120件、死亡843件を対象とした。すべての研究のバイアスリスクは低かった(Newcastle-Ottawa ScaleおよびRisk of Bias 2ツール)。急性呼吸窮迫症候群の非挿管COVID-19患者において、意識的伏臥位が気管内挿管のオッズを44%(OR 0.56;95%CI 0.40~0.78)、死亡率を43%(OR 0.57;95%CI 0.39~0.84)減少させることがわかった。気管内挿管および死亡率に対するこの保護効果は、意識下仰臥位で1日8時間以上過ごした患者においてより強固であった(それぞれOR 0.43;95%CI0.26~0.72およびOR 0.38;95%CI0.24~0.60)。GRADE基準によるエビデンスの確実性は中等度であった。
結論:意識的腹臥位は、特に患者が意識的腹臥位で1日8時間以上過ごし、集中治療室で治療を受けた場合に、気管内挿管および死亡の確率を低下させた。しかし、ランダム化臨床試験、非ランダム化臨床試験、観察研究の評価には限界があるため、われわれの結果は慎重に解釈すべきである。しかし、ランダム化臨床試験のメタアナリシスを伴う系統的レビューにもかかわらず、これらの研究は臨床的および方法論的観点から依然として異質であることを念頭に置かなければならない。