HIVに感染していない未就学児の言語アウトカム:南アフリカのコホートの分析。
アブストラクト
はじめに:HIVに感染していない子ども(CHEU)は、世界で約1,600万人いる。研究により、CHEUは乳幼児期、特に言語領域において発達障害のリスクがあることが示唆されている。しかし、就学前の重要な時期を含む2歳以上のCHEUにおける神経認知機能を調べた研究は限られている。本研究では、感染していないHIV曝露と神経認知機能の転帰との関連を調査し、3~4歳のCHEUにおける神経発達の危険因子を明らかにすることを目的とした。
方法:Drakenstein Child Health Studyは、南アフリカの人口ベースの出生コホートであり、妊娠中の女性を登録し、継続的に追跡調査を行った。HIV感染の有無について盲検化された訓練された評価者により、3.5歳時の小児の一般認知機能、言語、記憶などの神経認知アウトカムが評価され、Kaufmann Assessment Battery for Children, Second Edition(KABC-II)を用いて測定された。データは、効果修飾の検定を含む多変量ロジスティック回帰および線形回帰を用いて、CHEUとHIV非感染児(CHUU)の間で比較された。
結果:合計497人の小児(97人[20%]CHEU;400人[80%]CHUU;50%男性)が対象となり、平均年齢は3.5歳(範囲3.4~3.6歳)であった。CHEUの母親は平均年齢が高かったが、出生と家庭の特徴はほぼ同じであった。全体的に、CHEUはCHUUと比較して、非調整および調整分析で表現言語得点が低かった(効果量:-0.23[95%CI -0.45, -0.01])。一般的な認知機能や記憶機能に群間差はなかった(p>0.05)。性差分析では、男性CHEUは男性CHUUと比較して、認知機能の発達が不十分である確率が高いことがわかった(aOR 2.28 [95% CI 1.06, 4.87], p = 0.034)。出生時体重、母親の教育、母親のART期間、妊娠中のHIVウイルス量を含む他のいくつかの因子は、子どもの性別に依存して、CHEUの認知、記憶、または表現言語の転帰と関連していた。
解釈:この結果は、周産期のHIV曝露が就学前の言語発達障害と引き続き関連していることを示唆しており、言語発達を最適化するための早期介入の重要性を強調している。さらに、この結果は、CHEUの発達結果に影響を及ぼす人口統計学的、生物学的、HIV関連の変数の重要性を示唆している。男性のCHEUでは、認知発達が最適でないリスクが高いため、性特異的メカニズムに関する調査が必要である。