若年性特発性関節炎の青年および若年成人における不安および抑うつ症状:外来スクリーニングの結果。
アブストラクト
背景:これまでの研究で、リウマチ性疾患とともに成長することは、不満や心理的苦痛を助長し、ひいては疾患の自己管理と治療アドヒアランスに影響を及ぼすことが示されている。本研究の第一の目的は、若年性特発性関節炎(JIA)を有する青年・若年成人(AYA)における不安および抑うつ症状の有病率を推定し、顕著なスクリーニング結果の相関を同定することであった。
方法:多施設共同観察研究COACHの一環として開始され、National Pediatric Rheumatological Database(NPRD)に参加している12~21歳の外来患者を対象に、Patient Health Questionnaire-9(PHQ-9)とGeneralised Anxiety Disorder Scale-7(GAD-7)を用いて精神的健康について前向きにスクリーニングを行った。
結果:JIAの青年1,150人(平均年齢15.6±2.2歳、平均罹病期間7.2±4.9年、女性69%、乏突起関節炎43%、多発性関節炎26%)のデータを解析した。全体として、AYAの32.7%(n=316)が顕著なスクリーニング結果を示し、そのうち30.4%が臨床的に関連性のある自殺念慮または自傷念慮を報告した。スクリーニングを受けた患者の約19%が中等度から重度の抑うつ症状または不安症状を示した。スクリーニング結果が顕著であったAYA患者は、年齢が高く(15.8歳 vs 15.2歳;p<0.0001)、女性が多く(81% vs 64%;p<0.0001)、体重過多であることが多かった(25% vs 17%;p=0.006)。また、疾患活動性が高く(NRS 0-10の医師による総合評価:1.7 vs 1.2、p<0.0001)、機能的制限(CHAQ:0.44 vs 0.14、<0.0001)が多く、健康状態(NRS 0-10:3.5 vs 1.8、p<0.0001)はスクリーニング結果が目立たないAYAよりも悪かった。女性(OR 2.33[CI 1.53-3.56];p<0.0001)、高齢(OR 1.09[CI 1.01-1.18];p=0.026)、機能制限が多い患者(OR 3.36[CI 1.98-5.72];p<0.0001)、主観的健康状態が悪い患者(OR 1.17[CI 1.07-1.27];p<0.0001)は、スクリーニング結果が目立つ可能性が高かった。定期的なスポーツ参加は、スクリーニング結果が目立つ可能性が低いことと関連していた(OR 0.69 [CI 0.49-0.98]; p = 0.039)。
結論:ドイツにおけるJIA患者を対象とした大規模な外来スクリーニングでは、不安および抑うつ症状の有病率が高いことが示された。メンタルヘルスの問題を早期に発見するためのルーチンのスクリーニングの必要性が明らかになった。