小児および青年の1型糖尿病患者におけるハイブリッド閉ループインスリン投与システムの有効性:試験順次解析によるメタアナリシス。
アブストラクト
本研究の目的は、1型糖尿病(T1D)の小児および青年におけるインスリン送達のためのハイブリッド・クローズドループ(HCL)システムの有効性と安全性を評価することである。Embase、PubMed、Cochrane Libraryを検索し、2023年3月までに発表された、T1Dの小児および青年を対象としたHCL療法と対照療法を比較したランダム化比較試験(RCT)を検索した。連続アウトカムについては加重平均差(WMD)を、バイナリーエンドポイントについてはリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出した。4件のRCTと501例の患者が組み入れられ、そのうち323例がHCL療法に無作為に割り付けられた。対照療法と比較して、HCLはグルコース値が70~180mg/dLであった期間(WMD 10.89%、95%CI 8.22~13.56%)および糖化ヘモグロビン(HbA1c)値が7%未満であった参加者数を有意に改善した(RR 2.61、95%CI 1.29~5.28)。また、HCLはグルコース値が180mg/dL以上であった時間(WMD-10.46%、95%CI-13.99~6.93%)、グルコースの平均値(WMD-16.67mg/dL、95%CI-22.25~11.09mg/dL)、HbA1cの平均値(WMD-0.50%、95%CI-0.68~0.31)を有意に減少させた。グルコース値が70mg/dL未満または54mg/dL未満であった時間、ケトアシドーシス、高血糖、低血糖のエピソード数に関しては、治療法間に有意差はなかった。このメタアナリシスでは、対照療法と比較したHCLは、T1Dの小児および青年における範囲内時間およびHbA1cコントロールの改善と関連し、副作用のプロファイルも同様であった。これらの所見は、この集団におけるT1D治療におけるHCLの有効性を支持するものである。