妊娠期間別のSARS-CoV-2感染と周産期の有害転帰:メキシコの後方視的コホート研究。
アブストラクト
目的:COVID-19と有害な周産期転帰との関連については相反するエビデンスが存在する。本研究では、妊娠中の母親のCOVID-19と、早産(PTB)、低出生体重児(LBW)、低出生体重児(SGA)、高出生体重児(LGA)、胎児死亡を含む周産期の有害転帰との関連を検討した。
デザインおよび設定:本研究では、2020年1月から2021年11月までのメキシコのInstituto Mexicano del Seguro Social(IMSS)のレトロスペクティブなメキシコ出生コホートを用いた。
参加者:COVID-19の情報を有するIMSSの社会保障行政データセットを用い、IMSSの定期的入院データセットとリンクさせ、妊娠中にSARS-CoV-2の検査を受けた調査期間中の分娩を特定した。
アウトカム指標:PTB、LBW、SGA、LGA、胎児死亡。関連(リスク比、RR)およびCIを定量化するために、標的最尤推定量を用いた。COVID-19標本全体、軽症・重症別、感染時期別にモデルを当てはめた。さらに、検査を受けていない妊娠の欠測によって誘発されるバイアスの可能性を調査した。
結果:全標本は単胎妊娠17 340例で構成され、そのうち30%が陽性であった。その結果、軽症のCOVID-19はPTBのRRが0.89(95%CI 0.80~0.99)であり、重症のCOVID-19はLGAのRRが1.53(95%CI 1.07~2.19)であった。妊娠第1期のCOVID-19は胎児死亡と関連しており、RR=2.36(95%CI 1.04, 5.36)であった。結果はまた、非検査妊娠の欠落が関連にバイアスを誘発する可能性があることを示している。
結論:全サンプルにおいて、COVID-19と周産期の有害転帰との関連を示す証拠はなかった。しかし、重度のCOVID-19はいくつかの周産期転帰のリスクを増加させる可能性があり、妊娠初期はハイリスク期間になる可能性があることが示唆された。