幼児における細菌性下痢症の病因の臨床的および栄養学的相関:ABCD試験の二次横断分析。
アブストラクト
目的:中等度から重度の下痢症(MSD)を有する2歳未満の小児の多施設コホートにおいて、栄養学的・臨床的特徴と定量的PCR(qPCR)法による細菌性下痢症の診断との関連を評価することを目的とした。
デザイン:AntiBiotics for Children with Diarrhoea試験(NCT03130114)から収集したベースラインデータの二次横断解析。
対象:ABCD試験に登録され、便サンプルを採取されたMSD(24時間以内に3回便が緩く、以下のうち少なくとも1つを呈すると定義された:若干/重度の脱水、中等度の急性栄養不良(MAM)、重度の発育阻害)患児。
試験期間:2017年6月~2019年7月。
介入:なし。
主要アウトカム評価項目:下痢の細菌性病因の可能性。副次的アウトカムには特定の下痢の病因を含む。
結果:6692例のMSD患児でqPCRの結果が得られたが、28%が細菌性下痢症であった。重度の発育阻害を有する小児と比較して、MAM(調整済みOR(aOR)(95%CI)1.56(1.18~2.08))、何らかの/重度の脱水(aOR(95%CI)1.66(1.25~2.22))、または両方(aOR(95%CI)2.21(1.61~3.06))を有する小児は、細菌性下痢症の可能性が高いオッズが高かった。安定した毒素-腸毒素性病因についても同様の傾向が認められた。発熱や長期間の下痢を含む臨床的相関は、細菌性下痢の可能性とは関連していなかった。前24時間以内に6回以上の便があった小児は、便の回数が少なかった小児と比較して、細菌性下痢の可能性が高いオッズ(aOR(95%CI)1.20(1.05~1.36))が高かった。
結論:MAMの存在、脱水、または便の回数が多いことは、抗生物質の効果が期待できるMSD患児の同定に有用であろう。