タンザニア北部の小児・思春期がん診療におけるCOVID-19パンデミックの影響:横断研究。
アブストラクト
はじめに:SARS-CoV-2(COVID-19)の大流行は、医療システムを疲弊させ、特に低・中所得国において、がん治療を必要とする小児に特有の課題をもたらした。本研究は、COVID-19の流行がタンザニア北部の小児および青年のがん医療へのアクセスに及ぼす影響を評価することを目的とした。
方法:この横断研究では、人口ベースのKilimanjaro Cancer Registry(KCR)を用いて、2016年から2022年の間に547人の小児・思春期がん患者(0~19歳)の人口統計学的および臨床的特徴を評価した。データをCOVID-19以前(2016~2019年)とCOVID-19(2020~2022年)の時代に分類し、診断、治療、人口統計学的情報の記述的分析を行った。二次解析は、診断時の病期を有する患者167人のサブセットについて行った。
結果:パンデミック期間中、全体の入院患者数はほぼ倍増した(n = 190 vs 357)。KCMCで受診した診断の種類はパンデミック中に増加し、2016年には5つの疾患群しか報告されていなかったが、2021年には12の疾患群が報告された。ほとんどの患者は時代を超えて後期(ステージIIIまたはIV)で診断され、5歳未満の患者の割合は、全体のコホートと比較すると、29.4%(パンデミック前)、52.8%(パンデミック中)と後期診断が増加している。この年齢カテゴリーの小児の約95%がパンデミック中に末期診断を報告した。12のがん部位グループのうち6つでも末期診断の増加が報告された。パンデミック中、手術を受けた小児の割合は15.8%から30.8%に増加した(p < 0.001)。
結論:COVID-19のパンデミック期間中、タンザニア北部における小児および思春期がんのケアは変化し、若年患者における後期診断の提示が増加し、診療が拡大する中で外科療法の使用が増加した。COVID-19パンデミックが小児・思春期がんケアに与えた影響を理解することは、健康危機の真っ只中にある小児・思春期がん患者の新たなニーズに対して、医療制度や介入をより適切に適応させることに役立つ。