5人の小児患者における二重の希少遺伝病:次世代診断法からの洞察。
アブストラクト
背景:臨床医は伝統的に、患者の臨床症状に対する単一の説明を同定することを目指している。しかし、場合によっては診断がつかめないままであったり、臨床所見を包括的に説明できないことがある。近年、全ゲノムシークエンシングを含む次世代シーケンサーの進歩により、患者の二重診断が偶発的に同定されるようになってきた。ここでは、二重の希少遺伝病と診断された5人の小児患者の症例を紹介する。彼らの自然史と診断過程を探り、次世代診断技術の活用から得られた教訓を報告する。
結果:二重診断を受けた小児5例(男児3例、女児2例)が報告された。診断時の年齢は3ヵ月から10歳であった。主な臨床症状は、精神運動遅滞、筋緊張亢進で、肝機能障害を伴うものもあり、外観異常、思春期早発症、背屈制限、両足瘤などがみられた。全ゲノム配列決定の結果、これらの患者では9つの疾患が確認された:症例1ではアンジェルマン症候群とクラッベ病、症例2ではシトリン欠損症とカブキ症候群、症例3ではホモシステイン血症2型とコピー数多型、症例4では孤立型メチルマロン酸血症とニーマン・ピック病B型、症例5では孤立型メチルマロン酸血症と21-ヒドロキシラーゼ欠損症であった。15個の遺伝子変異と2個のCNVが同定された。KMT2Dのc.15292de1A、SLC25A13のc.159_164invとc.1427G > A、MTHFRのc.591 C > Gを含む4つの新規変異が観察された。
結論:われわれの所見は、臨床医が病歴聴取と身体診察の意義について用心深くなることの重要性を強調している。総合的な臨床経験は、非典型的な臨床的特徴を同定するために極めて重要であり、特に2つの希少遺伝病が関与する症例では重要である。