中国広東省の国立小児医療センターにおけるSARS-COV-2オミクロン感染の重症小児患者。
アブストラクト
背景:SARS-CoV-2感染症は、ほとんどの小児で無症状、軽症あるいは中等症である。小児および青年におけるSARS-CoV-2感染に関連した死亡は、現在の報告によればまれである。COVID-19の症例はオミクロン急増時に中国で著しく増加したが、オミクロン変異体に感染した小児重症患者に関する臨床データは限られている。本研究では、中国広東省の国立小児医療センターに入院した重症小児の臨床的特徴および転帰について、オミクロン変種感染アウトブレイク時の概要を明らかにすることを目的とする。
方法:2022年11月25日から2023年2月8日まで、SARS-CoV-2感染と診断された18歳未満の重症小児63例を対象とした後方視的研究を行った。患者は広東省の医療機関から紹介された。これらの患者の医療記録が分析され、要約された。
結果:患者の年齢中央値は2歳(四分位範囲、IQR:1.0-8.0)、男女比は1.52であった。12例(19%)がワクチン接種を受けた(3歳以上)。入院期間中央値は63例で14日(IQR:6.5-23)、発熱期間は5日(IQR:3-8.5)、小児集中治療室(PICU)滞在期間は57例で8日(IQR:4.0-14.0)であった。30例(48%)はSARS-CoV-2に感染した家族との明確な接触歴があった。SARS-CoV-2感染陽性と判定された小児3例は、胸部画像検査で異常を認めなかった。全患者のうち、33例(52%)が細菌を併発しており、最も多く検出された細菌病原体は黄色ブドウ球菌であった。我々のコホートでは、呼吸器系と神経系の病変が主な特徴であった。さらに、50人(79%)の患者が人工呼吸を必要とし、その期間中央値は7日(IQR 3.75-13.0)であった。これらの患者のうち、35例(56%)が呼吸不全を発症し、16例(25%)が症状の悪化を経験し、最終的に疾患に屈した。敗血症性ショックはこれらの患者(15例)で最も一般的な病態であり、次いで多臓器不全が12例、脳症が7例で確認された。
結論:SARS-CoV-2オミクロン変異体に感染した重症小児の症例シリーズを報告する。オミクロンの方が症状が軽いことを示唆するエビデンスはあるが、小児におけるSARS-CoV-2感染の病原性への影響を最小化できるような対策を引き続き模索することが重要である。