全身性IL-26は犬アレルゲンに感作された小児の喘息コントロール改善と相関する。
アブストラクト
背景:インターロイキン(IL)-26はTヘルパー17型(17型)細胞によって産生され、免疫調節作用と抗菌作用を示す。これまでの研究で、気道におけるIL-26の局所濃度は、コントロールされている喘息患者よりもコントロールされていない喘息患者で高いことが示されており、この興味深いサイトカインはバイオマーカーとしての可能性を秘めている。ここでは、全身性IL-26がアレルゲン感作、喘息の重症度、および小児におけるIL-17 Aとどのように関連しているかを調べた。
方法:イヌのアレルゲンに感作された小児(n=60)と感作されていない小児(n=17)から血清を採取し、ELISA法を用いてIL-26およびIL-17 A蛋白濃度を測定した。薬剤の使用や有効な症状に基づく質問票の得点を含む自己報告による既往歴が記録された。
結果:血清中のIL-26濃度はアレルゲン感作者で上昇し、IL-17 A濃度と正の相関を示した。しかし、IL-26濃度は、喘息、湿疹、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーの既往の有無にかかわらず、アレルゲン感作被験者間で顕著な差は認められなかった。特に、喘息に感作された被験者のIL-26濃度は、喘息コントロールテスト(ACT)スコアの上昇と正の相関を示し、吸入コルチコステロイドと負の相関を示した。さらに、過去12ヵ月間に経口コルチコステロイドを1コース以上必要とした喘息患者では、IL-26濃度が低下していた。
結論:この研究は、IL-17 Aと同様に、全身性IL-26が小児のアレルゲン感作に関与しているという証拠を提示した。全身性IL-26と喘息コントロールの改善との関連は、重症の喘息において気道に動員される細胞源と一致しており、このキノシジンがバイオマーカーおよび治療標的としての可能性を持っていることを裏付けている。