サハラ以南のアフリカの小児および成人におけるHIV治療前の薬剤耐性とウイルス学的転帰との関連:システマティックレビューとメタアナリシス。
アブストラクト
はじめに:治療前薬物耐性(PDR)は、抗レトロウイルス治療(ART)未経験者、過去にARTを受けたことのある者、あるいは長期間の中断後にARVを再び開始した者に生じる可能性がある。一貫性はないが、ウイルス学的転帰との関連を示した研究はほとんどない。このレビューの目的は、PDRとウイルス学的転帰(ウイルス学的不成功または抑制)との関連を総合的に示すことである。
方法:本報告は、Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses(PRISMA)ガイドラインに従って行われた。方法は、記録の同定、スクリーニング、報告の取り込みという3つの主要な段階に細分化された。記録の同定は、検索用語「HIV治療前薬物耐性」を用いた最初の検索で構成された。もう一つの検索は、"Pretreatment drug resistance OR pre-treatment drug resistance OR Pretreatment drug resist* OR pre-treatment drug resist* OR pre-treatment antiretroviral resistance OR pretreatment medic* OR pretreatment medic* resist*"という用語と、サハラ以南のアフリカのすべての国のリストを用いて行われた。電子検索の後、タイトルと抄録に基づいて全リストから研究をスクリーニングし、その後、全論文が検索され、研究が設定された基準に基づいて評価された。組み入れ基準には、PDRとウイルス学的失敗との関連を報告した観察研究を含めた。関連性を報告した臨床試験のデータも対象とした。モデリング研究やレビューのような発表論文、および過去にレビューに含まれたデータを有する研究は除外した。統合(メタアナリシス)にはオッズ比を用いたMantel Haenszel法を用い、各研究の重み付けはイベント数と合計に依存した。
結果:全データベース検索で合計733件の研究記録が得られ、そのうち74件がサハラ以南のアフリカ(SSA)におけるPDR、ウイルス学的転帰について報告していた。74件の論文のうち、11件は除外され、26件は必要なデータが明確に報告されておらず、5件は組み入れ基準を満たしていなかった。残りの32件の研究のうち、ウイルス学的失敗(VF)に従ってPDRとPDRなしの参加者数に関する完全なデータを有する19件の研究がメタ解析に含まれた。これらの研究のうち11件(13件)のプール結果から、PDRありの人はPDRなしの人に比べてウイルス学的失敗のオッズが高いことが示された OR 3.64[95%CI 2.93, 4.52]。この結果は、成人および小児で層別化しても同様であった。ウイルス学的抑制(VS)をアウトカムとした6件の研究では、PDRを有する症例ではPDRを有しない症例に比べてVSのオッズが減少し、OR 0.42(95%CI 0.30, 0.58)であった。
結論:本システマティックレビューは、サハラ以南のアフリカではPDRがウイルス学的失敗のリスクを増加させることを示している。このリスクは、NNRTIとINSTIのPDRモニタリングによって低減できる可能性がある。