オーストラリア大都市圏の2つの混合救急部における成人および小児のアナフィラキシー管理の後方視的監査。
アブストラクト
背景:アナフィラキシーは生命を脅かす可能性のあるアレルギー反応であり、オーストラリア全土で救急外来(ED)への受診が増加している。アナフィラキシーの影響を最小限に抑えるためには、アナフィラキシーを呈する患者の特徴や、入院、治療、退院の各場面における最適な臨床管理に関する側面を理解する必要がある。われわれは、オーストラリアの2つの救急外来におけるアナフィラキシーに関連する診察の性質と管理を評価することを目的とした。
方法:2018年5月1日から2019年4月30日までにアナフィラキシーで地域または3次レベルのEDを受診した小児および成人患者をレトロスペクティブに監査した。医療記録から抽出されたデータには、人口統計学的特徴、原因薬剤、臨床的特徴、地域、救急車またはEDの環境で実施された治療、ならびにアドレナリン自動注射器(AAI)およびアレルギー/アナフィラキシー行動計画(AAP)の提供を含む退院後のケアの取り決めが含まれる。
結果:合計369例(小児107例、成人262例)のED受診が確認された。94例(36%)の成人患者と46例(43%)の小児患者が病院前にアドレナリンを投与され、さらに91例(35%)の成人患者と29例(27%)の小児患者が救急外来でアドレナリンを投与された。救急外来で最も多く投与されたのは副腎皮質ステロイドで、成人157例(60%)、小児55例(51%)であった。退院時にAAIを必要とした患者のうち、成人では123/210例(59%)、小児では57/91例(63%)がAAIを投与されて退院した。一方、退院時にアレルギー/アナフィラキシー行動計画(AAP)が必要な患者では、成人患者の61/206例(30%)、小児患者の30/90例(33%)がAAPを取得して退院した。小児および成人患者において、退院時にAAIを受ける可能性が高くなる因子として、アドレナリンの投与、2回以上のアドレナリンの投与、入院期間の延長が挙げられた。営業時間内に受診した成人はAAIを投与されて退院する可能性が高かったが、小児患者ではそのような差は認められなかった。同様の所見は、退院時のAAPの提供についても明らかであった。
結論:これらの所見は、EDにおける評価と治療を改善する必要性を示している。特に、退院時のAAIとAAPの提供に大きなばらつきが観察されたことは、退院後のケアにおけるこれらの重要な要素に対する認識と提供を改善するための戦略を検討する機会を提示している。