SARS-CoV-2感染熱性小児における痙攣発作:臨床的特徴、短期追跡調査。
アブストラクト
背景:重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のオミクロン亜種が出現するにつれ、この流行に関連する神経学的症状が注目されるようになってきた。本研究は、SARS-CoV-2感染の有無にかかわらず、発熱小児における痙攣発作を比較し、SARS-CoV-2感染患者の短期追跡調査を行うことを主目的とした。
方法:2022年10月1日~12月30日の間に発熱および痙攣発作のため重慶医科大学小児病院に入院した患者をレトロスペクティブに解析した。入院時のSARS-CoV-2逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)の結果に基づいて、患者をコロナウイルス疾患2019(COVID-19)陽性群とCOVID-19陰性群に分けた。それとは別に、COVID-19陽性患者を退院後3カ月間追跡調査した。追跡調査には退院後の発作のモニタリングも含まれた。
結果:COVID-19陰性群に比べ、COVID-19陽性群では発作時間≧15分(18.7%VS5.1%;P = 0.001)の割合が高かった。001)、発作2回以上(54.4%VS41.0%;P = 0.024)、てんかん状態(15.4%VS5.1%;P = 0.005)、脳波異常(29.4%VS13.6%;P = 0.016)であった。追跡調査中の161人のうち、21人(13.0%)が発作を再発した。
結論:COVID-19陽性群では、発作持続時間15分以上、発作回数2回以上、てんかん重積状態の発生率が高かったが、患者の大部分は予後良好であった。しかし、COVID-19陽性で痙攣発作と意識障害が持続する患者は、急性壊死性脳症などの重篤な神経障害に注意する必要がある。短期間に発作が再発する患者もいることを考慮すると、発作の緊急管理に関する教育を保護者に行い、長期にわたって患者をフォローアップすることが最も重要である。