ナイジェリアの子どもたちにおける周産期HIV曝露・感染が唾液の性状に及ぼす影響。
アブストラクト
背景:周産期のHIV感染と曝露が、世界のほとんどの地域で小児の唾液pHと唾液流量に影響を与えるという証拠が増えつつあるが、う蝕とアフリカの人口動態を背景としたものではない。本研究の目的は、HIV感染および曝露が唾液の性状に及ぼす影響と、それらがナイジェリアの学齢児童のう蝕経験に及ぼす影響を評価することである。
方法:この横断研究は、ナイジェリアの3次病院で治療を受けているHIV感染者および曝露された学童(4~11歳)の唾液流量と唾液pHを評価した。266名の同意参加者を以下の3群に分けた:(1)HIV感染者(HI)(n=87)、(2)HIV曝露・未感染者(HEU)(n=82)、(3)HIV未曝露・未感染者(HUU)(n=97)。データ収集には、保護者が記入した質問票を使用した。3名の校正歯科医がう蝕の口腔内診査を行った。国際齲蝕検知評価スコア(ICDAS)を使用し、dmft/DMFTで表示した。唾液pHはMColourpHast™ pHインジケーターストリップを用いて測定し、唾液流量は吸引法を用いて無刺激の全唾液を採取して測定した。データ解析は、唾液pHと唾液流量におけるHIV曝露と感染の相関関係を明らかにするために比較統計学に頼った。
結果:各群(HI、HEU、HUU)において、HIの平均pHはHEUおよびHUUの平均pHより有意に低かった。同様に、SFRにも3群間で統計的に有意な差があった(p = 0.004)。性別、年齢、歯肉炎症スコアで表される口腔衛生状態などの他の変数は、試験参加者のpHとSFRに有意な影響を及ぼさなかった。HI群とHEU群のDMFTは、唾液流量の増加と予想外の正の相関を示したが、その関係は弱く、有意ではなかった。
結論:周産期のHIV曝露および感染は、ナイジェリアの学齢児童の唾液pHおよび唾液流量に有意な影響を与える。本研究の結果は、HIV感染が唾液pHに影響を及ぼし、HIV母体曝露(感染なし)が対照群と比較して唾液流量に影響を及ぼしたことを示唆している。