ヨルダンにおける先天性免疫異常:三次紹介センターからの最初の報告。
アブストラクト
目的:先天性免疫異常症(IEI)は、様々な臨床表現型を持つ異種の疾患群である。本研究は、ヨルダンの小児におけるIEIの疫学、臨床像、治療、転帰について記述するために実施された。
方法:2010年から2022年の間に、ヨルダンのアンマンにあるQueen Rania Children's Hospitalの小児アレルギー・免疫・リウマチ部門に基づく登録からIEIと診断された15歳未満の小児について、レトロスペクティブなデータ解析を行った。
結果:合計467例(男性263例(56.3%)、女性204例(43.7%))がIEIと診断された。症状発現時の平均年齢は18ヵ月(1週間~144ヵ月)、IEIの家族歴陽性は43.5%、血縁率は47.9%であった。最も多かったIEIのカテゴリーは、細胞性免疫と体液性免疫に影響する免疫不全で33.2%、次いで抗体欠損が16.9%であった。全体の診断遅延の中央値(範囲)は6(0-135)ヵ月であった。IEIの家族歴が陽性であった患者は、統計学的に有意に診断遅延が短かった。肺と胃腸の臨床的特徴が最も多く、それぞれ55.2%と45.6%であった。全死亡率は33.2%で、重症複合免疫不全症が最も高く56.2%であった。
結論:ヨルダンの小児のIEI有病率は16.2/100,000と、地域的、世界的なデータと比較して高く、我々のコホートにおける臨床症状やIEIカテゴリーの分布の多様性は、ヨルダンの小児におけるIEIのユニークな特徴を示している。