青少年におけるChild Opportunity Indexと糖尿病診断時の臨床的特徴:1型糖尿病と2型糖尿病の比較。
アブストラクト
はじめに:1型糖尿病(T1D)の青少年において、長期にわたる血糖コントロール不良は、近隣レベルの社会経済的不利な条件と関連している。Child Opportunity Index(COI)は教育,健康,環境,社会的,経済的要因の指標であり,青少年の肥満と関連しているが,新たに発症したT1Dや2型糖尿病(T2D)の青少年では評価されていない。われわれは、COIの低さは糖尿病診断時の有害な臨床転帰と関連し、危険因子や病態生理が異なるため、新規発症のT2Dの青少年はT1Dの青少年よりもCOIが低いという仮説を立てた。
研究デザインと方法:大規模な小児科病院に入院した新規発症糖尿病の青少年のレトロスペクティブコホート。COIを糖尿病タイプ別にt検定およびΧ検定を用いて比較した。多変量線形回帰分析およびロジスティック回帰分析を用いて、COIと臨床的特徴との関連を糖尿病型別に層別化し、年齢および性別で補正して評価した。
結果:コホート(n=484)は糖尿病型によって人種と年齢が異なっていた(T1D:n=389、黒人10.0%、白人81.2%、年齢9.6±0.2歳、T2D:n=95、黒人44.2%、白人48.4%、年齢14.8±0.3歳)。T2Dの若者はCOIが低かった(p<0.001)。低COIはT1DおよびT2Dにおける糖尿病性ケトアシドーシスと関連していた。COIの低い黒人青年は、T2D青年ではヘモグロビンA1cが最も高く、T1D青年では肥満有病率が最も高かった。
結論:COIは、若年発症のT1DとT2Dにおける診断時のさまざまな特徴と関連しているが、全体としてはT2Dの若年層で悪化している。これらの所見は,T2Dリスクを軽減し,青少年の糖尿病診断時の転帰を改善するための介入をデザインする際に,社会経済的逆境に対処する必要性を強調するものである。