中国における早発子癇前症の高リスク妊娠におけるアスピリン対メトホルミン(AVERT):多施設、二重盲検、3群ランダム化比較試験のプロトコール。
アブストラクト
はじめに:子癇前症(PE)は、中国の妊婦の約5%が罹患しており、母体および周産期の罹患率および死亡率の主な原因となっている。胎児医学財団によって開発された第一期スクリーニングモデルは、ベイズの定理を用いて母体の特徴や病歴とバイオマーカーの測定を組み合わせたものであり、PEを予測するための従来の危険因子に基づくアプローチよりも優れたスクリーニング性能を有し、有効であることが証明されている。PE リスクのある女性に低用量アスピリンを予防的に使用することで、早発 PE の発生率が低下している。しかし、早発 PE 予防に望ましいアスピリン投与量に関するコンセンサスは得られていない。また、メトホルミンは PE のリスクが高い妊婦の予防に有効である可能性が示唆されている。
この試験は、効果的なPEスクリーニングプログラムを用いて、中国の高リスク妊婦におけるPE予防のためのアスピリンの至適投与量とメトホルミンの役割を検討する多施設二重盲検3群ランダム化比較試験(RCT)である。妊娠11~13週で低用量アスピリンとメトホルミンを投与しない単胎妊娠66,000例をリクルートし、妊娠第1期の定期検査に参加する適格な女性全員に、母体因子、平均動脈圧、胎盤成長因子の組み合わせによる早発-PEスクリーニングを受けるよう勧める予定である。早産-PE発症のリスクが高いと判断された女性には、RCTへの参加を呼びかける。本試験では、妊娠37週未満での分娩を主要評価項目として、(1)アスピリン75mg連日投与群、(2)アスピリン150mg連日投与群、(3)アスピリン75mgとメトホルミン1.5g連日投与群の3つの異なる介入群の早産-PE発症率を比較する。検出力80%、I型エラー5%で、早発-PE発生率の減少における59%の有意差を検出するためには、各治療群につき957人の参加者が必要である。妊娠および新生児の転帰が収集・分析される。
倫理と普及:本研究の倫理的承認は、香港のJoint Chinese University of Hong Kong-New Territories East Cluster Clinical Research Ethics Committee(CREC Ref. No.2021.406)および中国本土の各参加病院の倫理委員会から得た。この試験はClinicalTrials.govに登録されている。AVERT試験の結果は、国際学会で発表され、インパクトのある雑誌に掲載される予定である。
試験登録番号:NCT05580523。